慢性潰瘍に対する低分子ヘパリンの有用性
慢性皮膚潰瘍の治療は、根本的な原因と併存疾患(糖尿病、腎疾患、栄養など)の管理が必要である。外科的デブリードマン、抗生剤投与、外用、ドレッシング材、装具などを用いて創傷治癒を目指す。しかし、それでも難治な症例も多く最終的には下肢切断に至る例も少なくはない。慢性潰瘍に対する低分子量ヘパリンの有用性について、述べられた論文があるが、本邦においては低分子ヘパリンの仕様は適応が限られている。
・ フラグミン
1.血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)
2.汎発性血管内血液凝固症(DIC)
・ クレキサン
1.下記の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
股関節全置換術、膝関節全置換術、股関節骨折手術
2.静脈血栓塞栓症の発症リスクの高い、腹部手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
以下、引用。
(Int Wound J. 2017 Jun; 14(3):589-590)
慢性皮膚潰瘍に対する低分子ヘパリンの有用性についての系統的レビューとメタアナリシス
・低分子ヘパリンの皮下注射を受けた合計439人の患者がこの分析に含まれた
・低分子ヘパリンの使用は慢性皮膚潰瘍の治癒率を高めることがわかった